[時論]年金改編は慎重であるべきだ
[中央日報・時論・2013年2月27日]
ユン・ソンミョン 韓国保健社会研究院 年金研究センター長
良い趣旨で始まったが、予想外のことで逆効果が出る場合がある。国民年金と基礎年金の統合問題がそうである。多くの陣痛を経て、国民年金と基礎年金を統合運営する「国民幸福年金」の枠組みが出たにもかかわらず、論争は簡単には収まりそうにない。朴槿恵政権が意欲的に準備してきた「ライフサイクル別オーダーメイド型福祉」が、適切に出航する前に暗礁に乗り上げたのである。
年金改編の議論ほど複雑な事案はない。国民全体の利害関係がかかっているからである。多くの利害関係者が提起する多様なケースに対する解決策を見つけることが難しいためだ。複雑に絡まった糸を解くという意味で、年金改編の問題はしばしば高次方程式を解くことに例えられる。それでも物理学的な観点での高次方程式は単純な方である。公平性など社会構成員が感じる感情的な側面を計量化する作業が抜けているからだ。
多くの論争があったにもかかわらず、基礎年金を租税で調達し、年金額を差等支給することにしたのは正解だった。問題は国民年金と基礎年金の統合運営である。一定期間の保険料納付を前提に年金を受け取る国民年金と、保険料の寄与履歴とは関係ない基礎年金の制度運営原則が衝突し得るからだ。長期間にわたり多くの保険料を納めた人により多くの年金を出すべきという年金政策と、所得が低い人により多くの便益を出すべきという社会政策の調和が難しいためである。
絡まった糸をいくつか見てみよう。熱心に保険料を納めたおかげで国民年金を受け取るのに、なぜ国民年金を受け取っているからといって基礎年金の支給を制限するのかという不満の声が出た。これをなだめるために、国民年金の加入期間が長いほど基礎年金をより多く出すようにしたが、批判も少なくない。所得が多く安定した職場で働く人の国民年金加入期間が長くなるはずなのに、なぜこの人たちに社会政策目的の基礎年金をより多く出すのかということだ。職場が不安定で国民年金に長く加入できなかった人たちに、より多くの便益が行くべきではないかという指摘である。
基礎年金の差等支給の主な基準が65歳以上の高齢者の70%であることも論争の種だ。極端な場合、所得認定額が1万、2万ウォンの差で、基礎年金を20万ウォン受け取る人と4万ウォン受け取る人に分かれ得るからである。高齢者人口が急増する状況で、70%という基準を今後どのように変更するかも論争の種だ。中位所得以下の低所得層は国民年金額が多くないため、20万ウォンの基礎年金だけに依存する可能性が高いことも問題だ。特に任意加入者(専業主婦など)や低所得の自営業者など、脆弱階層の国民年金離脱の誘因が高く見える。この場合、脆弱階層への国民年金加入奨励を目的とした低所得層への保険料支援事業である「トゥルヌリ社会保険」の政策目標とも相反する。
このような懸念が現実化した場合、国民年金は保険料を源泉徴収される給与生活者と高所得層中心の半端な制度に転落する可能性が高い。この場合、現在も悩みの種である国民年金の死角地帯がむしろ広がるという問題が発生する。このように新しい制度を導入する際、既存の制度による制約が大きい。与えられた環境および制約条件下で、新しい方向へ制度設計を行うことの難しさを指す言葉が経路依存性(path dependent)である。25年の国民年金と5年間の曖昧な基礎老齢年金の足跡が、問題解決を困難にしているのである。
年金改編の議論に乗じて、国民年金廃止運動のように国民年金を揺さぶる勢力も現れている。保険料だけ納めて、結局年金を一銭も受け取れないのではないかという若者層の不安も増幅している。国民幸福年金が国民の葛藤を誘発する要因にならないためにも、具体化の過程で慎重に、また慎重を期す必要がある。
ユン・ソンミョン 韓国保健社会研究院 年金研究センター長
出典:中央日報(原文を見る)
