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年金研究会

イタリアとノルウェーの分かれた歩み

2013.02.12

[ソウル新聞・開かれた世界・2013年2月13日]

ユン・ソンミョン 韓国保健社会研究院 年金研究センター長

代表的な福祉公約である基礎年金と重症疾患の保障範囲に対する解釈の相違、および履行の是非をめぐる論争が激しい。これに関連して注目を集める二つの国がある。イタリアとノルウェーだ。燦然たるローマ帝国の後継者であるイタリア。半島国家であり、オペラやカンツォーネに代表される音楽とスパゲッティを好み、感性に敏感であるという点で我々と類似点が多い。ノルウェーも我々と共通点がいくつかある。長期間にわたり周辺国から被害を受けて生きてきた点、山岳地帯が多く、タラ交易で栄えた港湾都市ベルゲン地域を除いては国民の生活が豊かではなかった点が似ている。二つの国は20世紀後半以降、福祉政策、その中でも後の世代に大きな影響を及ぼす年金・財政政策において分かれた歩みを見せており、目を引く。

イタリアをはじめとする相当数の南欧諸国は、放漫に運営してきた国家財政が持続不可能になったため、腕利きの火消し役を投入して生存のための構造調整を進行中である。このような状況で、苦痛を伴う構造調整を逆利用する政治勢力を意味する「Pの恐怖」(Politics、政治の恐怖)が現れている。イタリアにおける「Pの恐怖」の張本人はシルヴィオ・ベルルスコーニ前首相だ。首相在任時代にあらゆる奇行を繰り返していた彼が、回生のためにもがくマリオ・モンティ政府に匕首を突き立てた。経済危機を克服するために誕生したモンティ政府が推進している構造調整を元に戻すという公約を掲げ、支持を集めようと乗り出したのである。

年金制度改革の経験だけで言えば、イタリアは世界チャンピオン級だ。ここ20年ほどの間に7回も年金制度に手を入れたが、まともな改革ができなかった。そのため、前途は一面の灰色である。「Pの恐怖」を主導する勢力が、事態を悪化させた前首相であるという点はアイロニーだ。構造調整が苦痛で昔を懐かしむのは理解できるが、イタリアの将来に対する懸念は大きくなるほかない。

ノルウェーの歩みはイタリアと対照的だ。ノルウェーはかつて豊かに暮らしてはいなかったが、見捨てられた土地で大規模な油田が発見され、金の上に座ることになった。突然、天文学的な規模の天然資源が発見されると、祝福よりも呪いになりやすい。アフリカ諸国が代表的な事例だ。互いに資源を奪い合おうとして同族間の葛藤が深化し、最後には内戦へと突き進んで無数の人命が殺傷されるのが現実だからである。

しかし、ノルウェーの事例は新鮮である。毎年莫大な石油収入があるにもかかわらず、政府予算編成時に赤字幅が5%を超えないよう準則化した。目先の欲を捨て、高齢化などで将来世代の負担が大きくなることに備え、石油資源の大部分を残している。加えて、今後到来する高齢化・低成長社会においても持続可能であるよう年金制度を改めた。一方で、自分たちが享受する福祉便益は高い税金で充当している。平均所得税率が45%前後であるため、高い水準の福祉を行っているにもかかわらず、国家債務比率が国内総生産(GDP)対比で50%線をわずかに上回る程度だ。金融危機を経験しているイタリアはもちろん、債務比率がGDP対比で200%を超える日本の国家債務規模と比較される点である。

我々と共通点が多い二つの国の対照的な歩みが関心を引く理由がある。福祉政策の原則と志向点の重要性を気づかせてくれているからだ。福祉制度の運営原則と目標志向点を明確にし、社会葛藤を最小化するためにも、我々全員の知恵を集めるべき時であるため、なおさらそう感じる。失敗への恐れを最小限にできる強固な社会安全網の構築、脆弱階層がより多くの便益を受けられる福祉制度、熱心に保険料を納めた人が損をしない年金制度、そして後の世代に大きな負担を課さない福祉制度の設計を、我々が追求する福祉国家の原則と目標に設定すれば、社会的合意の導出はそれほど難しくないと思われる。

福祉問題、特に年金に関する多くの論争が結局は人口高齢化に起因するという認識の下で、政争を控え、政界が一致協力して持続可能な制度に変えたノルウェー。一方、「万人の万人に対する闘争」を連想させ、「Pの恐怖」に震えているイタリア。二つの国は、福祉拡大を推進している我々にとって重要な他山の石となるだろう。

出典:ソウル新聞(原文を見る)

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