[寄稿]企業は『国民年金対応チーム』まで作らねばならないのか(2022年1月25日)
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![[寄稿]企業は『国民年金対応チーム』まで作らねばならないのか(2022年1月25日)](/uploads/2026/02/1770466292486.jpg)
韓国の71大企業グループの大半は『公正取引委員会対応チーム』を運営している。公正取引委員会の監視の目が厳しいためである。企業界では「これからは社内に『国民年金対応チーム』まで作らねばならないのか」という自嘲交じりの声が聞かれる。国民年金が今年から、企業役員に対する損害賠償責任を追及する訴訟である『株主代表訴訟』を積極的に進めることにしたためである。
代表訴訟は、株式の0.01%を6か月以上保有する上場会社の株主が提起できるが、それだけではない。『国民年金受託者責任活動指針』を改正し、『株主代表訴訟』という言葉から『株主』の二文字を削除するという。親会社株式の0.5%を6か月以上保有する上場会社の株主が、子会社の役員を相手取って損害賠償責任を問う『多重代表訴訟』まで行うということである。
国民年金のこのような決定は、突然のものではない。2016年、一種の自律規範である韓国型スチュワードシップ・コードの導入を機に、国民年金が先頭に立ってこのコードを熱心に遵守すると表明した。そしてその実行のためのロードマップを作成したが、このロードマップには2020~22年ごろには株主提案による社外取締役の選任と代表訴訟まで行うことになっている。
ただし、国民年金はこれまでこのロードマップの存在と内容を企業に積極的に知らせてこなかった。企業界にとっては、突然で戸惑うのも無理はない。国民年金による国内企業役員に対する代表訴訟の試みには、およそ妥当性がない。その理由は、国民年金のガバナンス構造上、独立性がまったくないことであり、基金運用の独立性もまたないためである。
国民年金自体に独立性がないとされる理由は、国民年金の最高意思決定機構である『基金運用委員会』が、大臣が委員長を務め、3人の次官が委員であり、民主労総・韓国労総のような労働者団体代表、市民団体代表、地域加入者代表、事業者代表など利害関係者の代表で構成されているためである。委員会自体が利害関係者の衝突の場となってしまい客観性がなく、何よりも政府からの独立性がない。
世界5大年金基金として知られる中で、韓国の国民年金を除く日本のGPIF、カナダのCPPIB、米国のCalPERS、オランダのABPのいずれも、政府が最高意思決定機構を掌握しているところはない。さらに、国民年金の基金運用もまた問題である。基金運用および株主権の行使は基金運用本部が決定する。基金運用本部は国民年金の内部組織である。ところが、政治的・社会的に敏感な問題については、時折『受託者責任委員会(受託委)』の審議に委ねる。
受託委は任期3年の常任委員3人と、同じく任期3年の外部委員6人で構成されている。9人の顔ぶれを見ると、こちらもやはり労働者団体代表、市民団体代表、地域加入者代表、使用者代表など利害関係者の代表で構成されている。この組織もまた利害関係者間の衝突の場となり、基金運用と議決権行使そのものが政府と市民団体の意向に振り回されざるを得ない構造である。
今回改正される指針では、代表訴訟の部分は完全に受託委に委ね、受託委が提訴の可否について決定を下すようにするという。重要な意思決定を外部委員会に委ねるということだが、訴訟とは結末の分からないものであり、国民年金が敗訴することもあり得る。この委員会が誤った決定を下し国民年金が敗訴すれば、企業と国民年金の双方が甚大な被害を被る。
責任を誰が負うのかという問題が残る。理論上は決定主体である受託委の委員たちが責任を負うべきだが、委員たちは非常勤の一時的な職に過ぎず、会議手当程度をわずかに受け取る人々である。したがって、彼らに重い責任を負わせることはできない。言い換えれば、権限は絶大で重要な決定を下せるにもかかわらず、責任は何一つない人々である。『委員会共和国』では、後に問題となり責任を問われかねない重要な案件は、責任を負わない外部委員会を組織してそこに委ね、肝心の担当者たちは後ろに退くことが一般化している。
国民年金がこのように異常なガバナンス構造の下で企業役員を相手に代表訴訟を提起するというのであれば、基金造成の42%を担う企業がこれに納得できるだろうか。
日本の公的年金基金であるGPIFは、『年金積立金管理運用独立行政法人』という長い名称を持つ。GPIFは国内株式を直接保有せず、基金運用を外部の資産運用会社に委ねている。
したがって、議決権など株主権の行使もGPIFが直接行うのではなく、資産運用会社に委任している。2016年、日本の東芝株式会社の大規模な会計不正を理由に役員を被告とする代表訴訟が提起されたが、その訴訟もGPIFが直接遂行したのではなく、その委託運用会社である『日本トラスティ・サービス信託銀行』が遂行した。
国民年金が企業を相手に絶対に訴訟をしてはならないということではない。国民年金のガバナンス構造の画期的な改善が前提とされねばならないということである。
国民年金の独立性の保障を確保するためには、まず『国民年金法』を整備しなければならない。そして『基金運用法』を制定し、基金運用上の重要な決定や株主提案・代表訴訟など重要な事案についての決定構造とプロセスを法律に明記しなければならない。
これを、臨時機構である受託者責任委員会の決定に委ねてよい話ではない。
https://m.newspim.com/news/view/20220124000437