(朝鮮日報)「文政権の国民年金改編の試みは、国民を欺いて終わらせた詐欺劇」(2023.12.13.)
(NAVER(ネイバー)ではコメントだけで
1,056件が付いたインタビューである。
きちんと改革しなければ
「年金姥捨て」に
遭いかねないという表現が
使われたインタビューである。)
[ソン・ジョンミンが会った人]
年金改革研究25年、
ユン・ソンミョン韓国保健社会研究院研究委員
「改革をきちんとしなければ、MZ世代に『年金姥捨て』にされかねない」
ユン・ソンミョン韓国保健社会研究院研究委員は
3日、本紙のインタビューで
「年金改革がここまでの事態に至ったのは、高齢者貧困問題を歪曲してポピュリズムに利用した
一部の政治家、公務員、教授、市民団体のせいだ」と主張した。
国策研究機関に所属しながら政府の政策を強く批判してきた同氏は
「政府が年金改革に関するファクト(事実)と会議の過程を透明に国民に知らせてこそ、改革に成功できる」と述べた。
/イ・テギョン記者
尹錫悦大統領は先月、就任後初の国会施政演説で、年金改革を労働・教育改革とともに危機克服のための3大先決課題として提示した。それだけ切迫しているということである。政府は、年金改革を論議する社会的大妥協機構である「公的年金改革委員会」を設ける計画である。政府が具体的な改革案を発表しない代わりに、専門家と利害関係者が集まって合意するよう誘導するというものである。政府は老後所得保障のため、基礎年金を月30万ウォンから40万ウォンに引き上げるという公約も打ち出している。
国民年金の改革方式としては、2057年と見通されている積立金の枯渇を遅らせるため、現行9%の保険料率を引き上げたり、所得代替率(生涯平均所得に対する老後受取額の比率)を40%前後で調整したりする案などが取り沙汰されている。毎年数兆ウォンを国庫から支援している公務員・軍人年金と私学年金なども、改革が切実な分野である。
年金改革は歴代政権にとって「熱いジャガイモ」であった。高齢化によって年金受給者は増える一方、出生率の低下で経済活動人口が減少し、年金財政が悪化する傾向が続いてきた。改善が必要であることはどの政権もよく分かっていたが、「より多く払ってより少なく受け取る」方式の年金改革は票につながらないという政治的判断が優先的に働いてきた。国策研究機関である韓国保健社会研究院のユン・ソンミョン(61)研究委員は「文在寅政権の年金改編は対国民的な詐欺劇であった」とし、「財政評価期間の最後である70年後には年金財政がはるかに悪化するのに、(その途中で)基金の枯渇時点を数年延ばせるだけの小手先の策を『財政安定方案』と呼び、『公的年金の強化』という美名のもとに改悪を改革にすり替えた」と述べた。
同氏は「これまで一部の公務員、教授など利害関係者がカルテルを形成し、情報を隠蔽・歪曲して年金改革を遅らせてきた」とし、「政府財政ですべての責任を負えというやり方では改革は不可能だ」と強調した。また「大統領がもう少し積極的に乗り出せば、まともな年金改革は可能だ」とし、「『年金改革ファクト報告書』を作り、改革委の会議をYouTubeで生中継して透明性を高めよう」と提案した。

グラフィック=ソン・ユンヘ
公務員・教授などの年金カルテルを打破すべき
-年金改革はどれほど急を要するのか。
「落ちるものに翼はない。公務員年金と軍人年金の引当債務は昨年基準で1138兆ウォンに達する。国民年金も時限爆弾だ。国民年金は積立金として928兆ウォン(3月末暫定)を保有しているが、2088年までに累積赤字が1京7000兆ウォンに達するというのが国民年金の実情である。今の年金制度を維持しようとするだけでも、国民年金は保険料率を9%から18%以上に、公務員年金は18%から38%へと2倍以上引き上げなければならない。私学年金も改革が急務である。先送りするほど急速に悪化するにもかかわらず、『取り越し苦労だ』『数十年先の話だ』という空気が我々の社会を支配している。」
-どうしてこのような状況になったのか。
「一部の公務員と、特定の政権と結託した専門家がカルテルを形成し、まともに情報公開をしなかったために、ここまでの事態に至った。企画財政部や人事革新処は『年金引当債務は国の借金ではない』と言って事の重大さを薄めているが、すべて国民の負担である。一部の政界や市民団体からは『国民年金に国による支給保証条項を入れよう』という声が出ている。制度を直そうとは考えず、すべて国が責任を負えというやり方だ。世界中にこのような国はないだろう。」
公務員年金・国民年金の統合が時代の流れ
-国民年金と公務員年金のどちらがより急を要するのか。
「国民年金は導入からわずか10年の1998年と、20年にも満たない2007年の2度にわたって改革された。公務員年金は2010年と2015年に改革されたが、依然として2007年の国民年金改革の水準に及ばない。公務員年金など人口のわずか3~4%にすぎない特殊職域年金(公務員・軍人・私学教職員年金)の加入者のために毎年100兆ウォンずつ債務が増えている状況で、国民年金だけを改革しようと言って国民が納得するだろうか。民間企業と違って公務員はほぼ定年まで勤めるので年金額が増え続け、2倍多く払う分だけ政府も2倍多く出してやる。公務員年金と国民年金は統合運営するのが時代の流れである。」
-文在寅政権の年金改革の試みをどう評価するか。
「文在寅政権の年金改編案は対国民的な詐欺劇であった。年金の財政評価は70年後の財政状態を見ながら制度改編の論議をしなければならないのに、文政権は評価期間を40年に縮めて改革案だと打ち出した。寿命の延びを勘案すれば最低70年以上推計しなければならないのに、単に基金の枯渇時点が数年延びることをもって国民を欺いた。」
基礎年金・国民年金の減額を廃止すべき
-進歩陣営では、欧州のように国家が老後に責任を持てると言っている。
「彼らが好むというスウェーデン・ノルウェーなど北欧諸国も、2000年代に入って年金改革を通じて給付を相当程度縮小し、低所得高齢者に選択と集中を図る方向へ制度を変えた。フィンランドでは『平均余命係数』を導入して寿命が延びる分だけ年金を削り、ドイツは我々より2倍以上の保険料を負担している。ドイツや日本で国家が年金支給を保証しているという主張も事実ではない。」
-基礎年金を引き上げれば、高齢者貧困を減らすのに役立つのではないか。
「全体の70%に支給する基礎年金は、投入に比べて貧困緩和効果が大きく劣る。我が国がOECD(経済協力開発機構)の中で高齢者貧困率1位であるのは事実だが、『平均の罠』がある。高齢者の所得下位25%は我が国の全人口の中で最も貧しい集団だが、少なく見積もっても高齢者の上位50%は全年齢層より財産や所得が多い。例えば公務員、軍人、私学年金の受給者や大企業の退職者などは、若年層に比べてはるかに豊かに暮らしている。それなのに各種控除があるため、例えば勤労所得が月400万ウォンの高齢者でも基礎年金を受け取ることができる。また、高額の不動産を所有していても、当面の可処分所得がないか少ない場合には貧困高齢者に分類される。実際、我が国はOECD加盟国の中で移転支出による所得再分配効果が最も低い。基礎年金受給者の3分の1程度は月58万ウォン以下の絶対的貧困層だが、3分の1はOECDの相対的貧困(月97万ウォン)基準でも貧困高齢者ではない。韓国の高い高齢者貧困率の実態が高齢者所得の二極化にあるにもかかわらず、政界はこれを隠しながら高齢者の票を得る手段として悪用している。」
-先の大統領選挙では、大半が基礎年金10万ウォン引き上げを公約した。
「引き上げるとしても、所得下位30%までは10万ウォン、30~50%は5万ウォン程度と、差等をつけて引き上げるのが正しいと考える。公約破棄の話が出て大統領が謝罪することになっても、一部は撤回し、歴史の評価を受けるべきである。『n分の1』で貧困解消が可能だというのは、欧州諸国が採用している普遍的福祉の概念を極度に歪曲した卑怯な論争の副産物にすぎない。2030年の基礎年金支出額49兆ウォンは、軽空母33隻、中大型空母7隻を建造できる莫大な金額である。米・中・露に囲まれた国で国防費支出を勘案すれば、OECD平均ばかりを唱えているわけにはいかない。過去の選挙のたびに政界が問題を起こし、結局、高齢者の70%に支給する基礎年金を作ってしまった。このままでは、次の大統領候補は基礎年金を50万ウォンに引き上げる公約をせざるを得ない。」
-基礎年金と国民年金の連携減額はどうすべきか。
「国民年金が一定額になれば基礎年金を削るというのは話にならない。これによって脆弱階層はますます国民年金に加入しなくなるだろう。年金制度の原則を崩す連携減額制度は、いっそ廃止すべきである。誠実な国民年金納付者がより多く受け取るのは当然であり、同時に絶対的貧困の解消のためにも努力しなければならない。」
-年金改革の原則は。
「年金は適切な老後保障を提供しつつ現世代に普遍的に適用され、次の世代まで持続可能でなければならない。この三つの部門で最大公約数を見いだすことが重要だが、今は政治的持続可能性が重要な争点として浮上している。現世代できちんと改革しなければ、意思決定に参加しなかったMZ世代が成長して、高齢世代への年金支給を打ち切ってしまう『年金姥捨て』をする可能性もある。年金制度一つだけですべての政策目標を達成しようとしては問題解決が難しく、基礎生活保障制度や労働市場改革を通じた雇用延長など、さまざまな制度を組み合わせて最善の方策を導き出さなければならない。」
密室の改革論議、YouTubeで公開しよう
-「年金改革委」はどのように運営すべきか。
「過去の年金委員会や社会的大妥協機構に入ってみると、傀儡の委員を選んでおいて(本物の専門家を)絶えず圧迫し、脅迫する。ファクトを言えば揚げ足を取って時間を浪費し、あからさまに特定の集団を代弁する。すべての非公開会議をYouTubeで生中継して国民に公開すべきだ。これに先立ち、年金改革は『ファクト報告書』の発刊から始めようと提案する。年金を担当する公団で報告書を作成してメディアに公開し、専門家が検証する方式で、最低限のファクトに対する合意から始めようというものである。」
-年金改革は可能だろうか。
「2007年に盧武鉉政権で年金改革をした時よりも、今のほうがはるかに雰囲気が良い。政界は言い訳ばかりしているが、大統領がもう少し積極的に乗り出せば可能だと考える。大統領が意志を示せば世論も後押ししてくれると思う。年金改革は騒がしくなって当然であり、どうして静かにできようか。しかし歴史が評価するだろう。」
☞ユン・ソンミョン
高麗大学英語英文学科を卒業し、同大学で経済学修士の学位を取得した。1997年に米国テキサスA&M大学で米国の社会保障制度に関する研究により博士号を取得し、韓国保健社会研究院に入った。2000年に国民年金研究院に移って研究調整室長を務めた後、2006年に韓国保健社会研究院に再びスカウトされ、社会保障研究本部長などを務めた。16年にわたり1級研究委員を務めている。
ソン・ジョンミン社会政策部次長 [email protected]
