[リセット・コリア]持続不可能な「より多く払ってより多く受け取る」年金改革
[中央日報・リセット・コリア・2024年4月29日]
ユン・ソンミョン 韓国保健社会研究院 名誉研究委員・リセット・コリア年金分科長
2023年の第5次国民年金財政推計によれば、所得代替率を40%に下向調整し、保険料を15%へと6%ポイントさらに上げたとしても、財政安定の達成は不可能である。これさえも、0.7台の出生率が1.21に反転するという楽観的な仮定から出た結果だ。状況がこのようであるにもかかわらず、国会年金特別委員会の公論化委員会市民代表団は「少しだけより多く払い、はるかに多く受け取る案」を選択した。市民代表団は年金の学習をする前には「より持続可能な案」を好んでいたが、公論化委で学習した後に「持続不可能な案」を選択したため、論争が大きくなっている。財政計算委員会の専門家と国会年金特委の諮問委員が選択した案とは正反対の改編案を選択したという点で、問題は深刻である。
市民代表団に適切に説明されず「年金をより多く出そう」という誤った決定を誘導 年金の累積赤字などの情報を公開すべき
2023年1月の国会年金特委諮問委の投票で、15人の委員のうち10人が賛成した「所得代替率40%・保険料15%案」は、市民代表団の学習資料から完全に除外された。36の利害関係者の決定により、専門家が好む案を市民代表団に知らせる機会を奪ったのである。国民が「そのまま受け取りながら負担だけを増やす案」を好まないことは分かっていながら、なぜ専門家たちがその案を好まざるを得なかったのかを説明する機会さえなかった。
財政計算委員会と国会特委で「より持続可能な案」を作成した専門家が、肝心の議題熟議団の諮問団から排除された。「より持続可能な案」を適切に説明できる専門家を排除した諮問団の選定、この案を市民代表団に紹介することさえできなくさせた公論化委のルール設定が、「年金をより多く出そう」という決定に至らせた大惨事の背景であると言える。筆者が所属する年金研究会は公論化委に「どのような原則と手続きで諮問団が構成されたのか」を公開質問したが、釈明もない。36の利害関係者集団には若年層を代表する8人がいるが、このうち4人が国民年金の給付率引き上げを好んでいると伝えられている。若い世代と将来世代を代弁すべき団体が年金の既得権強化を主張しているのであるから、呆れるばかりである。
必ず知っておくべき核心的な資料を排除しながら、市民代表団に事実と異なる内容を学習させた状況も明らかになった。赤字を702兆ウォンもさらに増やす1案(所得代替率50%・保険料13%)を「持続可能な案」と表現しながら、肝心の、赤字を1970兆ウォン減らして「より持続可能となる2案(所得代替率40%・保険料12%)」にはそのような表現さえない。二つの案の間には2700兆ウォンに達する財政節減額の差があることを知らせなかった。累積赤字が専門家の間で合意されていない概念だとしたためである。財政推計で得られる基金枯渇の時点は認めながら、同じ過程を通じて得られる累積赤字の数値は拒否するということ自体が、理屈に合わない。
1案が世代別で生涯保険料の負担において5倍もの差が出るという事実は知らせず、2案はあまりにも年金額が少ない(月66万ウォン)という事実と異なる「恐怖マーケティング」を行った。1案を採用すれば低所得層の年金額(90万ウォン)が23万ウォンしか増えない可能性があるにもかかわらず、50万ウォン増えると学習させた。誤った学習により2案への賛成比率が下がり、所得保障案である1案への賛成比率が19.1%ポイントも大幅に上がったと見ることができる。
こうした状況であるため、公論化委が議論の構造と学習資料の側面で公正に運営されたとは言い難い。英国では核心的な情報提供の後、苦痛を伴う改革案への選好度が過半を超えた。日本が年金改革に成功できた背景は、「100年後に年金を支給するお金が4330兆ウォン不足している」という事実を明らかにしたからである。
この数値は、論争となっている累積赤字と類似した概念である。日本は明らかにしたのに、なぜ我々は明らかにできないと言うのか。国会予算政策処の報告書には、1案を除いたシナリオ別の累積赤字が収録されている。政府・国会が推計期間に発生する累積赤字の総規模と代替案別の増減幅を明らかにしてこそ、論争を鎮めることができる。盧武鉉政権のように未積立債務も公開すべきである。
歪められた学習資料と傾いた土俵で進行した市民代表団の決定を、第21代国会で急いで処理しようとする無理を重ねてはならない。改革がいかに急務であっても、方向が間違っているならば原因分析から行うべきである。そうすることが公論化の趣旨に合致する。
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出典:中央日報(原文を見る)
