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年金研究会

まともな年金改革論議の前提条件

2023.03.30

[韓国日報・朝を開きながら・2023年3月30日]

ユン・ソンミョン 韓国保健社会研究院 研究委員・元韓国年金学会長

経済協力開発機構(OECD)の会議出席のためパリを数十回往復しながらも、フランスの年金に関心を持ったことはなかった。西欧諸国の中で国土面積が最も広く土地も肥沃で、1年の農業をすれば2年食っていける国だという話を聞いていたからだ。帝国主義時代から蓄積した富と文化遺産に起因する莫大な観光収入など、我々とは環境が異なる国だという考えのためであった。

いかに環境の良い国家であっても、放漫な国政運営に対抗できる者はいない。ドイツやオランダなど周辺国が労働市場と年金改革を急いでいたとき、国民が好むからといって定年を5年短縮させた国がフランスだ。その後遺症をまともに被っている。政治家の誤った判断が国家の混乱を招いた端的な例である。マクロン大統領がフランスの年金改革を通じて節約しようとする赤字額は、年間20兆ウォン(2030年基準)程度だという。

我々はどうだろうか。126万人を対象とする公務員年金の2023年1年間の赤字補填額だけで6兆ウォンを超える。4大公的年金の未積立債務はGDP比で130%を超えたと推定される。未積立債務とは、すでに支給を約束した年金額の中で不足している額を意味する。このような状況であるにもかかわらず、尹錫悦政府の年金改革の動力は著しく低下した。国民年金の保険料を最低15%までは引き上げるべきだという専門家の主張が、政府の公式立場ではないという福祉部長官の発言以降に現れた現象である。さらに拍車をかけるように、国会年金特別委員会(年金特委)は「肝心な部分を省いた」内容を盛り込み、経過報告書として提出しようとしている。財政安定の必須事項である保険料・所得代替率の組み合わせを抜いた報告書だからだ。政府は保険料引き上げが公式立場ではないと反論し、国会は重要な数値をすべて抜いた中身のない報告書を提出しようとしている。何をしようというのか、行政府と国会の歩みは理解しがたい。

このように困難な状況にあっても、国会予算政策処は重要な数値を発表した。政府が否定していた、所得代替率は40%を維持しながら毎年0.6%ポイントずつ10年間にわたり保険料を15%まで引き上げた場合、今後70年間で3699兆ウォン(2023年不変価格)が節約されるという内容を公開したからだ。この天文学的な数値でさえ、70年間に増える累積赤字の半分程度にすぎない。なぜこれほどまでに改革が急務であると言われるかを示す象徴的な数値だと言える。一方で、所得代替率を50%へ10%ポイント引き上げ、保険料を15%まで引き上げた場合には、累積赤字の節減分は283兆ウォンにすぎない。一部の主張のように公的年金を強化するという名目で所得代替率を引き上げつつ、保険料は12%までしか引き上げないという主張が受け入れられれば、累積赤字が減るどころか、はるかに増える可能性があることを示唆している。

予算政策処の財政節減額は、ここ数年、基金枯渇の時点を数年延ばすことを財政安定方策だと欺いてきた主張の虚構を暴く数値である。それなのに、行政府はなぜこのような数値を提示できないのか。国会と行政府が同時に財政節減の数値を出すならば、年金改革の目的が天文学的規模の赤字節減にあるとして、年金改革への反発が激しいMZ世代を説得できると思う。

受給者を含め、既存加入者の年金額も削減すべきだというMZ世代の立場を反映できなければ、まともな年金改革論議は不可能である。尹錫悦政府が真に年金を改革する意思があるならば、国民年金の未積立債務を含め、代替案別の財政評価年度末時点での財政節減額を明らかにすべきだ。そうしてこそ、年金改革に対する国民的な共通の認識を形成できるからである。

出典:韓国日報(原文を見る)

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