(ソウル新聞チェ・グァンスク大記者コラム、2024年1月)[チェ・グァンスク・コラム]年金爆弾回しで急増する国の借金(掲載:2026.10.04.)
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人気取りの政策と「やみくも」立法
急増する国家負債に拍車
国の借金の半分が公務員・軍人年金
政府は自らの骨を削る改革を
総選挙を前に、政府の人気取り政策と国会の立法が相次いでいる。政府は減税で、国会は莫大な予算が投入される「やみくも立法」で、ばらまきに余念がない。ただでさえ国家債務が急増しているのに、政府も国会も逆走している格好である。
国家負債は将来世代に負担を押し付けることなのに、政府や政界はまるで今日だけを生きる人々のように振る舞っている。国際決済銀行(BIS)によれば、昨年第2四半期末の韓国の総債務は史上初めて6000兆ウォンを超えた。国内総生産(GDP)に対する総債務の比率が拡大した国は、経済協力開発機構(OECD)の中で我が国が唯一である。
国家債務は家計・企業・政府の債務を合わせたものである。我が国の場合、他国より上昇幅と速度が急である。家計・企業の債務は、政府が貸出規制で締め付ける。しかし政府債務を解決するためには自ら自己規制をしなければならないのに、政府はむしろ借金を膨らませている。その被害はそっくり国民に返ってくる。政府の自己規制の方法こそが「改革」という刀である。
国家負債を減らすために最初にやるべき課題は年金改革である。国家負債の半分以上は、驚くべきことに公務員年金と軍人年金の赤字を埋める年金引当債務である。公務員と軍人に今後70年間支給すべき年金は1200兆ウォンに達する。過去5年間で25.7%も増加した。
国民年金は今後30~40年後に枯渇することが心配されているが、公務員年金はすでに1993年に65億ウォンの初の赤字を出して以来、「税金を食うカバ」になった。昨年の公務員年金の赤字規模は4兆4500億ウォンで、2093年には15兆ウォンに膨らむ見通しである。
国民の税金で公務員年金の赤字を埋めているため、年金改革をしなければ今後50年後に国家負債がGDP比2倍の水準に増加するとIMFは警告した。韓国には少子化・高齢化という伏兵もあり、低成長・高債務の沼に陥るだろうとした。
このような事情にもかかわらず、歴代政府は年金問題が化膿して破裂するまで手をこまねいている。痛みを与える改革であるため、自らの政権内では爆発しないよう「年金爆弾回し」ばかりしている。その爆弾はしばらく先送りできても、被害は時間がたつほど幾何級数的に増える。改革を先送りした末に高額年金受給者の年金額が50%削減されたギリシャの事例は、決して他人事ではない。
年金改革を行うための方策は何か。最も重要なのは痛みを分かち合う姿勢である。では誰が先に痛みの分担に乗り出すべきか。政府が最前列に立たなければならない。しかし尹錫悦政権は、どういうわけか本当の厄介者である公務員年金ではなく、基金が枯渇してもいない国民年金の改革を行うという。すでに30年余り前に赤字に転じ、その赤字を国の税金で埋めている公務員年金の現実を考慮すれば、順序が逆である。国民は雀の涙ほどの国民年金では老後設計どころか目の前の暮らしもままならない境遇なのに、国民が「年金の金のスプーン」である公務員の老後を賄う構造というわけである。
先日、イ・ボッキョン金融監督院長は、不渡りの危機に追い込まれた泰栄建設の自救策について「自分の骨ではなく他人の骨を削るものだ」と批判した。
この言葉をそのまま政府に返したい。政府の国民年金改革は、自分(公務員年金)の骨は削らずに、他人(国民年金)の骨を削るものだと。
尹錫悦政権は、政権初期に久しぶりに年金改革への共感が形成されていたにもかかわらず、「中身のない改革案」を出しただけで国会に責任を押し付けた。 いずれにせよ、ひとまずエンジンをかけたのだから、国民年金改革を急いで仕上げ、公務員年金改革に乗り出さなければならない。
年金改革の方向は結局「より多く払い、より少なく、より遅く受け取る」ことである。現在の懸案である国民年金改革のために国民を説得することが何より重要である。そのためには、政府が率先垂範して本当の厄介者である公務員年金から手を付け、自らの身を切る以外に道はない。
チェ・グァンスク大記者
