(基礎年金導入の根拠となったコラム1、オーマイニュース、2005年11月6日)キム・ヨンハ教授(掲載:2026年9月8日)

(2026年下半期現在
年金改革に関して
最も論争となっている
基礎年金導入の
端緒を提供した
2005年11月6日
キム・ヨンハ教授
オーマイニュースのコラムである。)
基礎老齢年金は基礎年金の不良複製品
公的年金改革に関連した議論は3年余りが過ぎているが、いまだに突破口を見いだせずにいる。外形的には財政安定の側面を主張する側と普遍的な保障性を主張する側とが対立しているように見えるが、財政安定と普遍的な保障性はいずれも重要であり、いずれも勘案されなければならない年金改革案である。
公的年金の二元的な改革案は、基礎年金を通じては大韓民国の国民であれば誰もが老後に必要な最小限の所得を保障されるようにし、所得比例年金を通じては各職域の特性に応じた老後設計ができるようにしようというものである。
この時、基礎年金は「1人1年金」の形で作って将来の家族構造の変化に対応し、所得比例年金は「1所得者1年金」の形で、追加的な保険料の納付によって老後に必要な資金をより余裕をもって準備できるようにするところに、その目的がある。
現行の公的年金は、公的年金に加入した人だけが莫大な世代間の所得移転の恩恵を受けられるようになっており、所得がなくて年金保険料を払えない人は将来世代からも所得移転を受けられないようになっているという問題点を改善するためのものである。
「15年未満の払込者は最低生計費に満たない水準」
この点で、1人1年金の基礎年金制度は、世代間の所得移転の公平性を高める制度であるといえる。したがって基礎年金は、単純な年金制度という性格を超えて、かつて家族単位で担われていた親の扶養負担を、勤労世代が共に高齢世代を扶養する社会制度へと転換する意味を持つ。
基礎年金の問題点として指摘されるのは、将来世代の過重な負担である。基礎年金は賦課方式で運営されているため、人口高齢化の影響を直接的に受けるからである。65歳以上の高齢者人口比率は2006年現在9%台であるが、2050年頃には37%台まで高まるため、その分だけ勤労世代の負担が増加することになる。
しかし、基礎年金の負担増加は制度自体の問題ではなく、高齢社会に直面することになる将来世代の負担増加を示しているに過ぎない。
現行の国民年金制度あるいは政府の年金改正案の下では、2050年になれば、一定の期間以上保険料を払い込んだ人は年金を受け取ることができるであろう。年金を受け取ることのできる高齢者は、高齢者全体の60%内外と予想される。しかし、15年程度以上加入できなかった人は、年金を受け取るとしても最低生計費に満たない金額を受け取ることになるであろう。
この時、国民年金の財政は次第に15.9%の保険料では維持できない構造へと変わっていく。30%以上の保険料が必要になる。これとは別に、我々の社会には、国民年金など公的年金から所得保障を受けられない層と、受けられるとしても最低生計費より少なく受け取る層とが存在する。
下位層は自分で老後保障を?
問題は、これらの層のほとんど大部分が下位層であるという点にある。公的扶助の性格を持つ制度で無年金者および低年金者の問題を解決するというのであれば、やはり最低限、最低生計費に相当する金額を支給しなければならないであろう。こうなると、公的年金と公的扶助の費用を合わせた国家の高齢者扶養負担は、基礎年金の予算額よりもはるかに高くなるであろう。
公的年金制度が現在のように保険料を納付できる人だけのための制度となるためには、大前提が必要である。保険料を負担した分だけを年金として受け取らなければならない。もし公的年金が、少なく負担して多く受け取る制度として将来世代に負担を転嫁する構造を持っているのであれば、この場合には保険料の納付の有無だけを所得保障の物差しとして用いることはできなくなる。
現在の公的年金の主たる目標層は、中位層と上位層である。しかし上位層は、公的年金がなくとも自分で生きていける層である。彼らの所得保障のために将来世代が高い負担を甘受する一方で、下位層は自分で何とかし、駄目なら公的扶助でしてやればよいという式の社会保障制度では、すべての国民を運命共同体として結ぶことはできない。
基礎年金の負担は、一般行政費支出のような費用負担とは異なる。基礎年金の支給は、家計の高齢者および障害者の扶養負担の軽減につながるため、現在のように高齢者と障害者のいる世帯にだけ負担が集中する不平等な構造を、高齢者と障害者の扶養負担を社会の構成員が共に分かち合うことによって改善する効果を持つ。
持続可能な社会契約を望むなら、まず国民的合意から
政府とウリ党が最近打ち出した基礎老齢年金は、65歳以上の高齢者60%に7万~10万ウォンの年金を税財源で支給しようという案である。この案は一見基礎年金と似ているように見えるが、「不良複製品」にすぎない。そもそも基礎年金導入の趣旨は、すべての高齢者に普遍的な最低所得保障を行うことによって、国民統合効果を最大化することにある。
ところが与党政府合意案によれば、公務員年金・軍人年金・私学年金など高額年金受給者、国民年金を受け取る低額年金受給者、国民基礎生活受給者、その中間で何も受け取れない無年金者、基礎老齢年金受給者の間でも年金額が異なるため、社会保障の年金がかえって国民間の対立を増幅させることになるという懸念が大きい。
福祉国家とは、生の問題を個人に全面的に委ねるのではなく、人間らしい生活に必要な最小限の問題は国民すべてが共に解決していく国家であると定義するならば、基礎年金システムは、老齢や障害といった社会的リスクに対して国民が共に対処することで、福祉国家の枠組みを作ろうというものである。
今この時代に我々に必要なのは、高齢化時代においても持続可能な世代間扶養のために、高齢世代と勤労世代がいかなる社会契約を締結するのかということにある。具体的な年金給付水準と費用負担水準、そしてその方法を合意していかなければならない。

▲キム・ヨンハ教授
現行の公的年金は、政策決定過程が政府主導で行われていた時代に、社会的合意手続きなしに作られた規則であるため、年金制度が何であるかを一般国民も理解するようになった現時点で、国民の合意を新たに導き出さなければならない。
法頂和尚が投げかけた話頭 <分かち合いは我々が一つになることができ、分かち合う人も受け取る人も皆が満たされる>を改めて噛みしめてみるべき時点である。
https://m.ohmynews.com/NWS_Web/Mobile/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0000371357
